May 2012 Archives

そして2日目も快晴。
「おくのほそ道田植えライヴ」の決行です。
今年は気温が低く、全面田植えは無理という結果に。
東多賀の湯の社長さんにちいさな田んぼを代かきしてもらって、
田植えだけは出来る様に準備してもらいました。



120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_106.jpgのサムネール画像そして姥の湯から田植えライブの行われる史跡尿前の関へ出発。
旅の中で旅をする鳴響。

遠足状態。





今年の森繁哉さんのパフォーマンスは「舞踏の道行〜奥へ、奥へ、細道を」。
鳴子温泉から尿前の関へ向かう中で、
どこかで芭蕉の精霊となった旅人の森さんが現れるという設定。

120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_110.jpg
途中には鳴子峡の入り口や、古い街道の橋が残ってたり。
ちょっとした遠足ですが観光にもなかなか良い道なのです。

隊列にはボランティアガイドさんがついています。




120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_113.jpg鳴子峡入り口を抜けると史跡尿前の関。
文字通り透き通るような新緑の中、
yukki+Marinの演奏がはじまる。






120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_114.jpg森さん登場!
旅人は実は芭蕉の精霊。

まさに能みたな世界。










narukyo_izm_PENT5487.jpgそして芭蕉の精霊あらわる。















narukyo_izm_PENT5575.jpg今年の『鳴響pH4.0』今年のハイライトは
やっぱりここでの芭蕉の精霊となった森さんとの真剣勝負にあった。

農家に近付いて来る森さんに、
我々はギターの静かなアンサンブルで待ち構えていた。
今までの我々なら森さんの足を引っ張らないように合わせて
ゆったりファンタジックに仕上げねば
とか思っていたところだが、その日は違った。








narukyo_izm_PENT5595.jpg農家の玄関近くで芭蕉の精霊となった森さんは水路の水を汲み頭から被り、水路の水を本気で飲み干しているのが見えた。
その姿を見た時、こんな綺麗なギターのアンサンブルではダメだと思った。


そしてセッションメンバーで急遽話し合い、覚悟を決めて糸魚さんと「森さんの踊りを破壊しよう」と決めた。

narukyo_izm_PENT5608.jpg







120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_125.jpg森さんの踊りを破壊する覚悟を決めた我々は糸魚さんとじゃいさんの電子音でその破壊の瞬間を探ることに全霊で集中した。こうして農家は芭蕉の精霊となった森さんを自分達の音楽で煽るという、今までの我々では考えられない真剣勝負に出る場となったのだ。そしてしっかり森さんはそこに応えてくれた。
農家、電子音、芭蕉の精霊、民謡、窯神様。それが凄まじい緊張感でしっかりと成立していた。そこには奇跡的という言葉はなく、完全に自分達と森さんが作り出している確かな手応えを感じていた。






後から打上げの席で森さんに「破壊しようとした」ことを白状すると、
んだな、んだな、と笑っていた。

narukyo_izm_PENT5681.jpgソーラーが仕組まれた囲炉裏。
お昼には田植えなどこの地域の「結」の行事で出される
「きなこごはん」のおむすびが。

おむすびは文字通り田植えを手伝ってくれた人達との
縁をむすんでいくための食べ物なのでした。








narukyo_izm_PENT5699.jpg残念ながらちいさい田んぼしか間に合いませんでしたが、
田植えもやりました。







そして3年ぶりに復活した鳴子御殿湯駅でのいろのみライヴ。

120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_148.jpg今回はMarinさんも加わっての演奏。

涼音堂に新たな表情が加わったなー
と感慨深し。





実はCoupieといろのみが出会ったのが
第一回目の『鳴響』での鳴子御殿湯駅ライヴ。
演奏中のいろのみにギターを片手にyukkiが飛び入りしたのがきっかけでした。

IMG_2824.JPG今年の御殿湯駅ライヴでは
その時の寸劇が再現(笑)

まさにお湯の縁が繋ぐ『鳴響』
ふさわしいエンディングでした。



120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_152.jpg帰りたくない気持ちは皆同じ。
それでも電車は時間通りに来てしまう。

鳴子御殿湯駅ライヴがなんとも切ないのは
やはり駅が別れの場所だからでしょうか。




別れは縁の終わりではなく、始まりにすぎない。
そしてまた縁に誘われて鳴子温泉にやってくる日を待ちこがれる日がはじまるのです。



narukyo_izm_PENT5820.jpgそして番外編。

同じく初回の『鳴響』から参加していた藝術家の椎名勇仁さんから、
同じく初回の『鳴響』でyukkiが演奏したディジュを手渡され、
初回の『鳴響』と同じトンネルでの演奏が。
なんですかこのドラマは(笑)


かくして『鳴響pH4.0』終幕。
まさに温泉街にいろんなドラマを巻き起こしたファンタジーでした。


PsysEx糸魚さんに、
渋響から鳴響までの流れは
「星さんと出会ってからの集大成だった」と言われ本当に感慨深かった。
京都と電子音楽という所から、
自分達の手で音楽を続ける仕組みを作り出すという所から、
とんでもないところに辿り着いたものだ。

いろいろやりきった感。
みんなおつかれさまでした。

narukyo_izm_PENT5791.jpgIMG_2836.JPG

「旅の中で旅をする」というシチュエーションは
歴代の『鳴響』の中で繰り返されて来たモチーフですが、
こういうのはやはりよいですね。
なかなか観光では行かない潟沼を見れたのも絶対貴重です。

そして好日館ではオープニングが開催。
仙台FMラジオ3「ちゃんもつの耳」の
橋元成朋さんと、ラジオフリーダムのタカハシマサトさんのコンビが実現!(笑)

narukyo_izm_PENT4894.jpgそして!
鳴響名物、こけしセッション!
まずは岡崎斉の店から。

Firo、糸魚健一(PsysEx)、星憲一朗(snoweffect)、柳平淳哉(いろのみ)、そしてyukki(Coupie)という涼音堂の中核をなすメンバーに
鳴子こけし継承者岡崎斉一。

narukyo_izm_PENT4886.jpg今回はなんと。
江戸後期のものと思われる手挽きのろくろを
Coupieのyukkiくんが回すというセッションに。

4度目を迎えるセッションはいつにも増してアヴァンギャルドかつアグレッシヴに。


120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_030.jpg続いての桜井こけし店でのセッションは
安田寿之+antennasia+jai+cobi(Coupie)+鳴子こけし継承者桜井昭寛。
初のヴォーカル入りのセッション!





narukyo_izm_PENT5000.jpgそしていよいよメインの「姥の湯旅館」でのライヴへ。
オープニングは京都から、「電子音楽の夕べ」にも参加してもらった
shrine.jpの新鋭アーティストPolar Mからスタート!!
今回は大活躍。




narukyo_izm_PENT5031.jpgそしてここでFiroの登場。
「渋響」からの新境地路線が冴えまくってます。
次回作への期待が否応無く高まるFiro!





IMG_2799.JPGそして今回は歴史的なことが起きました。

なんと。鳴子の温泉街の商工会の青年部が『渋響』の
「路地の駅」を鳴子温泉でも実現!
そこになんとあの渋響の路地の駅を担当したチーム
「GOLD RELAX」がやってきたのでした!!
山ノ内町議会議員の高田さんもいらしてくださいました。

遂に『渋響』と『鳴響』がつながる。感動の再会。


IMG_2801.JPGGOLD RELAXの山本陽介くんと、姥の湯旅館の若旦那の
歴史的邂逅の歴史的瞬間!!!









120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_049.jpg鳴子温泉『鳴響』と渋温泉『渋響』がつながるーーーー
これはほんとうに歴史的な瞬間でした(笑)







narukyo_izm_PENT5033.jpg今回の『鳴響pH4.0』はインスタレーション作品のレベルも凄かった。
東北は津軽が生んだ天才藝術家majioくんの『今宵花』は
ソーラーユニットの光で光る鎮魂の花。





narukyo_izm_PENT4988.jpg東京食堂の作品もさらにやばし。







narukyo_izm_PENT5365.jpg
これがこうなったり






narukyo_izm_PENT5383.jpgこうなったり







narukyo_izm_PENT5154.jpgまさか自炊部の屑籠がこんなふうに回るとは。







narukyo_izm_PENT5170.jpg宮本ゆり先生のこけし作品も自炊部やお湯のあちこちに。







narukyo_izm_PENT5106.jpgそしてpH2.0から2年ぶりの出演となったPsysEx!







narukyo_izm_PENT5134.jpgそして仙台の電子音楽シーンを代表する存在といえばの
antennasia。風格すら感じさせる二人。






narukyo_izm_PENT5217.jpgpH3.0に続き、安田寿之さんの登場。
今回はCoupieをゲストに迎えた
「The 10th planet」が全体のテーマのごとく
皆の脳裏を直撃してました。




120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_092.jpgそして今回のスペシャルゲスト、
クラムボンのmitoさん。

ギター一本でのアコースティックな弾き語りセット。
どこか温泉ぽい雰囲気も漂う良い感じ。









120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_077.jpgラストはCoupie。
安田さんとの「the 10th planet」もさることながら
彼らのキャリア初のアンコールまで飛び出す充実ぶり。

Coupieはほんとに大震災を挟んではじめての『鳴響』で、
感慨深いです。



ライヴの合間にも湯につかったり、
こけしの絵付けをしたり。
自炊部の部屋で一杯やったり。
女将さん特製の郷土食「おくずかけ」を堪能したり。

お湯と人と掛け流される音楽と。
なんとも幸福な空気に包まれながら
夢のような鳴響の夜は更けて行くのでした。



narukyo_izm_PENT5299.jpg


『鳴響pH4.0』はおかげさまで事故もなく無事終幕致しました。
いらしていただいた皆様ほんとうにありがとうございました。

震災後初の開催となった今回は、
今震災後の東北の湯治場にとって
何を表現し何が伝われば意味のあることなのか、
森繁哉さんとほんとうに徹底的に話合いました。


そこで出て来たのが「縁の湯、湯の縁」という言葉。
湯は人と人とを取り結ぶ回路となり、お湯の縁が人を助ける。

その言葉をきいたとき、いろんな人の顔がぐるぐると脳裏に浮かんでいきました。
これこそがまさにわれわれが温泉地で今までやってきたことだなあと。

このことを鳴子温泉の人達に話すと、
まさに「湯の縁」に助けられた話がどんどん出て来ました。

ガソリンの無いときに灯油を持って来てくれた湯治客のお客さん。
お湯に助けられ、健康になって帰って行った南三陸のおばあちゃん。

お湯と縁を背後のテーマに持ちながら、『鳴響pH4.0』 は開催したのでした。

120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_005.jpg今年の『鳴響』は大沼伸治さんの湯治教室からスタート。
おなじみ鳴子温泉の好日館に集合して、
マイクロバスで鳴子温泉発祥の地である潟沼までツアーをする
というモバイル教室。




この日の潟沼はほんとうに美しい色でした。
120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_007.jpgお湯しぶきを浴びながらの大沼さんのレクチャー!
120519-20_鳴響pH4.0_POPGUN_003.jpgのサムネール画像

Categories

  • news
  • system

About this Archive

This page is an archive of entries from May 2012 listed from newest to oldest.

April 2012 is the previous archive.

July 2012 is the next archive.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.