『装苑』最新号に掲載になりました。
November 2009 Archives
『装苑』最新号に掲載になりました。
Coupieのyukkiです。
豪州でのお勉強シリーズ第二段は
クリスタルウォーターズ ナラヤンさんのお宅編。
ヘザーさんのお宅に居候しに行く途中の話にさかのぼりますが、
とある駅でローカルバスを待っていると、知らないおばさんに声をかけられる。
作務衣に足袋、electronic eveningでもかぶっていたトンガリ帽子の身なりに、
大きなスーツケースにラップトップの鞄をくくりつけて、
ディジュリドゥとギターを抱えているのできっと何か心配してくれたのでしょう。
何をしているの、どこへ行くのと。僕は日本から来てこれからメイプルトンへの農場のお手伝いに行くと伝える。楽器を見て音楽は好きかと聞かれ、勿論と答える。
しばし世間話をしているとその女性はここの隣町でヨガの先生をしているそうで、2週間後にヨガのミーティングがあるそうで、タンブーラ奏者の人も来るそうで僕も誘ってくれている。興味もあるので行ってみることにした。
その当日に出会ったのがナラヤン夫妻だ。僕は※クリスタルウォーターズエコビレッジに興味があるということと、実は出国前に知人より紹介された日本人でオーストラリアに移住し、自分の畑とレストランを構え、世界的に活躍されているナチュラリスト、パーマカルチャリスト※のデジャーデン・ゆかりさんのところで修行する予定だったのが、僕が出国直する直前に心臓発作で急逝してしまったことを伝えると、そこに居た人全員がデジャーデンさんのことを知っていた。それがまたきっかけとなり知り合いが増える。
その一週間後にナラヤンさんからメールをいただく。奥さんのアレクサンドラさんが出産間近で色々とバタバタしていて庭を作らないといけないのだけれど人でが足りないというのと、PEP(Permaculture Energy Party)というイベントがあるそうなのでそれにも参加してほしいという。子供は自宅出産するので2週間くらいしか受け入れられないけれどその間に庭作りを手伝ってほしいとのことでした。
PEPは、村の人々が月に一度、代わる代わるにホストになり、必要な仕事を集まってくるボランティアと共同して仕事を頼める。仕事のあとはみんなに料理をご馳走したり、持ち寄りでパーティーと次回のミーティングをする。昔の日本の里山文化の「結」のようなシステムだ。
それでクリスタルウォーターズにやってきたのが10月16日。
部屋として使わせてもらったのがキャラバン。ちゃんと電気も通っていて快適です。
ヘザーさんのところはまた違い、結構作業時間は適当。というのも、ナラヤンさんの職業は珍しく、鍼灸と指圧とあん摩、それと漢方の薬剤師をしていて、仕事の合間に
畑の仕事をする感じだった。村のお医者さんという感じです。若いのに凄い。
まずはPEPに向けての準備。必要な道具や素材を集める。
庭の歩き道に敷き詰めるための、バークチップ(木のチップ)、段ボール(地面に敷き詰めて光を遮断して、その上にチップを乗せると雑草が生えにくくなる、マルチング法をするため)、それに花壇(野菜壇?)、ミミズファームの修理(コンポストのためのミミズを飼い増やすタンク、ミミズの糞尿はとても貴重な肥料にもある)の修理などを2日間で一気に済ませる。
PEPの当日、わんさかと村人達が中心に人が集まってくる。
循環型農の講師などもしている人たちもいて、自然と統率がとれてあっという間に全員の
役割が決まり、仕事開始。
コンポストを作ったり、すぐに野菜を植えられるように畑を整備したり、パスの整備、階段作りに果樹の剪定などなど。
作業の中で色々アドバイスをもらったりと、自然とワークショップのような感じです。
本当に惜しみなくみんなで協力し合っているのって素敵だなと思いました。
庭もすっかり見違えるほどになりました。
その後、2週間ほど居候し、庭仕事を手伝いました。
食べ物は大体30%は畑で採れるものに、あとはご近所さんの野菜をいただいたり、お店に買いに行ったりです。奥さんのアレクサンドラさんがドイツ人なので、
ドイツ料理が多かった。ビールも作ってました。
ナラヤンさんにたまに鍼を打ってもらったり(笑)色々薬草のことを教えてもらったり、
次の居候場所まで一緒に探してくれて本当にナラヤンさんには頭があがりません。
奥さんも、僕が家を出てあと数週間で出産。
次はご近所さんのラッセルさんのお宅です。
※パーマカルチャー (Permaculture)
「パーマネント(永続的な)」+「アグリカルチャー(農業)」+「カルチャー(文化)」 を合成した造語。1970年代のオーストラリアで、環境問題や農業に取り組んでいたビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンが体系化しました。
農を軸とした、持続可能なライフスタイル。街中のベランダから田舎の山奥まで幅広く応用できるデザイン体系。
循環する持続可能な、個人や地域社会のライフスタイルの構築を目指す。
里山文化はまさに完成されていたパーマカルチャーでもある、のかな?
パーマカルチャリストはパーマカルチャーの倫理、原則でライフスタイルをデザインして
暮らしている人達のことを言う。
※クリスタルウォーターズ エコビレッジ(Crystal Waters Eco Village)
世界的に活躍するパーマカルチャリスト、オランダ出身のマックス・リンデガーを含む4人のデザイナーが設立した世界初のパーマカルチャーを基盤としたエコビレッジ。
ちなみにマックスの作る蜂蜜は極上です。
さらに涼音堂の副社長であるsnoweffectのタケムラさんは松本在住で
信州では涼音堂はかなり地元ネットワークでお世話になってます。
この日はFM長野に出演するはずが、
パーソナリティの小林新さんがインフルエンザ(!)で倒れてしまったとのことで、
松本行きは断念。
お大事にしてくださいホント...
タワーレコード長野店とカントリープレスの日和編集部にご挨拶に行きました。
日和は長野のいろんな地域シーンを集積している
長野で最もアクティヴなメディア(と思います)。
編集部には日和カフェがついていて、ライヴやワークショップなど
いろんな催しが開かれて
まさに発信地という感じです。
こういう場があるかどうかでその地域の深みが違ってくる。
地域には発信地が必要なのだ。
そして渋温泉金具屋旅館でのサワサキさんの「音泉温楽」に
涼音堂からsnoweffectも出演してきました。
この日はいろのみの柳平くんがサポートの編成。
やっぱり渋温泉はいいわー。
このへんのはなしはまた追々。
みなさんも長野、来てみてはいかがでしょうか。
Coupieのyukkiです。
南半球の国オーストラリアにて、自給自足をしている人たちの暮らしかたを
勉強しに来て今日で約3カ月が過ぎようとしています。
今はクィーンズランド州のサンシャインコーストにあるエコロジー村、クリスタルウォーターズという村にて知人宅を居候して回りながら庭作りや家事手伝いなどしています。
地域経済がユニークで地域だけの通貨があったり、昔の里山文化での「結」のようなシステムがあったり、月に一度、村人(200人くらい)でマーケットや芸術祭を開いたりと、
とても面白いです。半農半X的な暮らしをしている人が殆どです。
ここの話しはまた次の機会ということで、
まずオーストラリアに入って始めに滞在していた場所を紹介しようと思います。
9/20 - 10/18 - Mapleton
9月中旬から10月中旬まではメイプルトンという場所にあるヘザーさんのお宅でお手伝いしていました。
13頭の羊に、10羽の鶏、6羽のギニア鶏(ホロホロ鳥)、色々混菜している野菜畑に、マカダミアナッツやアボカド、金柑、オレンジ、バナナなど様々な果樹、他にも色々と自生している桑やイエローベリー、ラズベリーなどある、本当食べ物には困らない場所です。
ヘザーさんは98%、食べ物は敷地内で採れる季節野菜と果物、それと鶏や羊を〆た時のお肉、止むを得ず撃った七面鳥、水は雨水での自給自足の生活、
外での仕事は地元のフレンチレストランに野菜を卸し、また地元の人に野菜を届けるビジネスに、季節に羊のウールを売って、週に一度、移民者向きの英語教師をしに、クリスチャンカレッジに行っている。
家はセルフビルドで元旦那さんと弟のロジャーの二人で作ったそうです。水道、電気の配線も全部セルフビルドでしかもかなりクオリティが高かったです。
一日の大体のスケジュールは
6:00 起床
7:00 朝食(採りたての生野菜にバター代わりにアボカドを塗ったサンドか、手作りの金柑ジャムサンドに、そこらへんに生ってる生姜とイラクサのお茶)
8:00 仕事開始
11:00 午前の仕事終わり
12:00 昼食 (採りたての生野菜、チーズサンド)
自由時間
14:00 午後の仕事開始
17:00 大体このくらいの時間で仕事終わり
18:30 夕食の準備
19:00 夕食(温かい調理されたご飯。ここで採れるものが材料なのでほぼベジタリアン食。まれに羊、鶏、七面鳥の肉が出る。ヘザーさんが調理の時は100%塩抜き)
という感じの生活習慣でした。
まずここでの凄いことはゴミがほぼ0に近いことです。
食べ物などで買ってくるものはパンと調味料のみ。パンの袋もリサイクルして使う。
生ごみは鶏の餌へという感じです。
鶏は放し飼いされ畑以外の場所には自由に出入りでき、よくコンポストを引っ掻きまわしてくれるので自分でやらなくて済む。果樹園に鶏糞をまいてくれ、卵とたまにお肉を提供してくれ、生ごみを喜んで食べてくれる。
羊は畑の草刈りをした草を食べてくれ、果樹園に糞をしてくれ土を肥やしてくれ、放したところの雑草を食べてくれる。たまにお肉にもなってくれる。
僕はお肉も食べるのでこういう経験はとても大切だと思いました。
他にも水の回りなど数えきれないほど敷地内の循環があり、ヘザーさんはオーストラリア政府から、循環農業部門で賞も取っているくらいです。
本当にそこで取れたものをいただいて、使ったものをそこに還す、
小さな地産地消が目に見える生活。
とても勉強になります。
仕事は僕が行った時期はランタナという南米からの外来植物がクイーンズランド州で爆発的に増殖していて、それを大鉈で刈りこみ、根をツルハシで掘り返す作業が大半でした。
ロジャーとヘザーの二人の敷地にしてはかなり広いので一カ月かかりました。
ヘザーさんの敷地内は動物や虫、自生している植物が本当に沢山いてとても気持ち良い場所でした。
ヘザーさんのところに来たばかりのころに、サソリやら、蛇やら日本人にはちょっと珍しいものから、蜘蛛、コガネムシ、ミミズなど本当にどこにでもいて、驚いていたら、
「虫や動物が居るから正常って印よ、もし虫が居なかった時は私に教えてちょうだい」と
いう言葉がとても心に残っています。
ここの土地をどういう風にしたいかと聞くと
「永続可能な循環する空間にしたい」と、一言。
次回投稿はクリスタルウォーターズの住人で
鍼灸師をしているナラヤンさんのお宅についてです。
先週はTBSのクラシック専門デジタルステーション「OTTAVA」に行って来ました。
http://ottava.jp
各地のトラディショナルだったり、アンビエントだったりと、
いろんな方面で広がっていきつつある
この種の音楽愛好家の重要なステーションという一面もあります
かく言う小生もOTTAVEはクラシック専門というイメージが強かったのですが
「電子音楽の夕べ」がリスナーの方の京都でのOFF会になっていたりという話をきいて
なんとも思わぬところでいろんな聴かれ方をしているなあと思った次第ですハイ。
デジタル放送は音源は全部ハードディスクに入れて、
放送する人がぜんぶ一人でリアルタイムで操作できる
当然リアルタイムでメールを読んだりも出来るので、
まさに「手元でやってる」感覚に番組作りがどんどん近づいている。
そういえば昔はラジオ番組といえばハガキが来たりFAXしたりでしたが
そういうのも懐かしい時代になってきたってことなんですかね。
OTTAVA
http://ottava.jp
「現代農業」など骨太な農業雑誌を出している出版社でもあります。
いろのみの磯部くんが野菜を作ってたり、
Coupieのyukkiくんが自給自足の修行に出てたりで
そんな話をいろいろ。
「うかたま」は暮らし系の雑誌の中でも文字通り
地に足のついた食文化をとてもかわいらしく紹介していて、
とてもいいなあと思います。
最新号も何ともいいですね。
では鳴子米も巻頭で紹介(!)してたりしています。
http://www.ukatama.net/issues/200710/contents.html
http://www.ukatama.net/
西荻窪に新しく出来たお店「雨と休日」に行って参りました。
エレクトロニカから音響、ジャズからクラシックと
そっち系の良質なセレクトで揃ってます。
かなりツボなお店ですよ。
ubusuna早速ありました。
吉祥寺の隣駅。
ご近所にこんな店があったのかという感じですが、
最近の西荻はこういう佇まいのお店がちょこんとあって、
とてもいい感じなのですよ。
西荻といえばいい喫茶店がいっぱい残っている喫茶店の街でもあります。
どことなく時間がゆっくり流れてる街なのです。ホント。
杉並の方はぜひ探してみて下さい。
この佇まいにピンと来る方はハマるはずです。
雨と休日
http://ameto.biz/